AG後追いのジェネリック
ロスバスタチン
今回、23社・79品目のロスバスタチンのジェネリックが薬価収載されました。今年の8月に26社・87品目が承認されていましたが、Meiji SeikaファルマがOD錠の薬価収載を見送り、Meiji Seikaファルマ、武田テバファーマと富士フイルムファーマが普通錠の薬価収載を見送った結果、競合関係は以下のような状況です。
ロスバスタチンでは、以下の点が特徴的です。
- ロスバスタチン効能追加で分析しましたが、沢井製薬とファイザー(マイラン)だけが、いち早く「家族性高コレステロール血症」の効能を追加し、先発品(クレストール)と同じ効能・効果となったこと。ただ、ファイザー(マイラン)が普通錠のみであるのに対し、沢井製薬が普通錠とOD錠の両方を揃えたところは、さすが沢井製薬といったところでしょうか。
- 普通錠を薬価収載した22社中、普通錠とOD錠両方を取り揃えた会社は15社と多いものの、OD錠は共同開発関係にある会社が多いこと
- OD錠に外資系大手3社(テバ・サンド・マイラン)が単独で参入していないこと。
- 東和薬品と高田製薬が、先発にない規格の10mgを発売したこと。
オルメサルタン
今回、17社・79品目のオルメサルタンのジェネリックが薬価収載されました。今年の8月に21社・103品目が承認されていましたが、東和薬品、サンド、ダイト(科研)、エルメッドエーザイ、武田テバファーマ、共創未来ファーマが普通錠の薬価収載を見送った結果、競合関係は以下のような状況です。
オルメサルタンでは、以下の点が特徴的です。
- 先発品(オルメテック)が普通錠の販売中止を発表し、OD錠への切り替えを進めていることが影響しているのか、普通錠の薬価収載を見送った会社が多っかたこと。
- 普通錠とOD錠を揃えた会社が少なかったこと(小林化工とニプロ)。日医工、共和薬品も普通錠とOD錠がありますが、日医工のOD錠には5mgの規格がなく、共和薬品は、5mgと40mgの規格が普通錠、10mgと20mgの規格がOD錠という変則的な状態です。
- 外資系大手3社(テバ・サンド・マイラン)が単独で参入していないこと(OD錠にファイザー(マイラン)がいますが、単独ではなくニプロとの共同開発)。
オルメサルタンと言えば、ヨーグルトのような特有のにおいがすることで知られています。これは、メドキソミルエステルが徐々に切断され活性本体に変化することにより発生するジアセチルが原因物質であることが知られています。
そのため、先発品のオルメテックOD錠は、β-シクロデキストリンを添加剤として使用することでジアセチルの発生を抑えるという発明をし、特許を取得しています(特許5688799,2030/2/16満了)。
これに対し、ジェネリック各社のOD錠を見ると、当然、シクロデキストリンのような添加剤は使用されていません。沢井製薬のHPによれば、有効成分由来のにおいと吸着する機能性PTPシートを使用しているそうですが、他のジェネリックがどのようににおいの対策を講じているかも気になるところです。
次回は、12月8日に薬価基準収載がされたジェネリック医薬品の動向を、各会社に注目して分析していきたいと思います。
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