ドルゾラミド/チモロール配合点眼液の先発品情報
有効成分
一般名:ドルゾラミド塩酸塩/チモロールマレイン酸塩
効能・効果
緑内障、高眼圧症
剤形・規格
コソプト配合点眼液(2010年6月薬価収載)
コソプトミニ配合点眼液(2015年5月薬価収載)
製造販売元
参天製薬株
ドルゾラミド/チモロール配合点眼液の基本特許
ドルゾラミド/チモロール配合点眼液の基本特許は以下の通り。
ドルゾラミドの物質特許(特許1909232)は、2012年7月に、ドルゾラミド/チモロールの組合せに係る配合特許(特許2527513)は、2015年7月に満了しています。再審査期間が2016年4月15日に終了したため、再審査終了後の2016年8月申請~2017年8月承認となったと考えられます。
参天アイケアのドルモロール配合点眼液はAG?
今回、承認されたのは参天アイケアのドルモロール配合点眼液のみでした。参天製薬からプレスリリース等は出されていませんが、参天アイケアは参天製薬のグループ会社ですからオーソライズド・ジェネリック(AG)であると考えられます。
AG以外のジェネリックの承認はいつ?
AG以外のジェネリックの承認時期
医薬品医療機器号機構のHPでMF登録状況を確認したところ、次のMF登録がされていました。
ドルゾラミドのMF登録がされていることから、ドルゾラミドを有効成分とする点眼剤の開発をしている気配はあるものの、残念ながら、いつAG以外のジェネリックが製造販売承認申請されるかを分析することはできませんでした。平成29年2月に新たにMF登録がされていることに注目すると、AG以外のジェネリックは、早ければ2018年2月には承認されると思われます。
製剤特許のハードルは?
簡易的に先発品をカバーする製剤特許がないか検索したが、目ぼしいものはヒットしませんでした。 また、2015年7月に満了したドルゾラミド/チモロールの組合せに係る配合特許(特許2527513)の実施例を確認したところ、ドルゾラミド、チモロール、塩化ベンザルコニウム、ヒドロキシエチルセルロース、マンニトール、クエン酸ナトリウムとpH調節剤を含むの眼科薬剤組成物が記載されていました。
そのため、前回分析したトラボプロスト点眼液とは異なり、先発品であるコソプト配合点眼液と同じ添加剤を使用できると思われます。
先発品と同じ添加剤を使用する場合、生物学的同等性試験の負担が軽減されますので、2018年2月以降に承認されるであろうAG以外のジェネリックがどのような添加剤を使用し、どのような試験を行っているかが注目です。
AGの12月収載あるのか?
参天製薬の2017年3月期の有価証券報告書によると、コソプト配合点眼液の売上は114億円であり、医療用医薬品事業の売上の約9%占める主力製品です。2017年8月承認品の中では、イルベサルタンに次ぐ市場規模を有する製品ですから、参天製薬は、再審査期間終了後の2016年8月申請~2017年8月承認のジェネリックを見越して、グループ会社である参天はアイケアでAGの承認を取得したと思われます。そのため、この8月に承認を取得したジェネリックがいなかったことは予想外であったのではないでしょうか。
2017年12月にAGを薬価収載した場合、コソプト配合点眼液は新薬創出加算の適用を失い、2018年の薬価改定で薬価が大幅に引き下げられてしまいます。「8月15日付医薬品承認情報 ~モメタゾン点鼻液 後編~」で分析した通り、過去、新薬創出加算の適用を失ってまでAGが薬価収載されたことはありません。更に、点眼剤はジェネリックに切り替わりにくい領域とされています。
そのため、2017年12月にAGを薬価収載することはないのではないでしょうか。
AGとAG以外のジェネリックの今後の動向に注目したいと思います。
次回はドロスバスタチンについて分析します。
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